2018 グランドサークル新婚旅行記 プロローグ
今日からドキドキワクワクの新婚旅行がはじまる。グランドサークルを2週間以上かけて巡るという最高のプランだ。リュックと帽子を新調し、なにもかもが最高の日。そう、私が病院のベッドで天井を見上げていること以外はね。
実は1週間前くらいから体調が優れず、風邪なのか疲れなのかはっきりしないだるさに見舞われていた。身体が熱い気がするのに、体温計の表示は平常。3日前に別の病院でかぜ薬を貰うも効果を感じず、出発の日の朝、藁にもすがる気持ちで近所の病院を訪れたのだ。
朝一番で行ったにもかかわらず、待合室は高齢者で埋め尽くされている。自宅を出発する予定時刻まで2時間ほどしかなく、間に合うかどうかの瀬戸際。問診票には「注射でも点滴でも、少しでも良くなる可能性があるならなんでもしてください」と記載するほど、とにかく必死だった。
その結果、依頼どおりに血液検査と点滴を行い、ベッドで横になっているというわけだ。これが人生初の点滴だが、一生忘れないものとなった。思えば、結婚を決めたのが約1か月前、そこから両家の顔合わせや旅行の計画、さらには職場での異動も重なって疲労困憊だったのかもしれない。大量の薬を手土産に、なんとか予定時刻に家を出発することができた。僕の旅史上最悪の出発である。
さて、僕はグランドサークルに何度か行ったことがあるが、妻のsakiは初めての旅。ルート選びには悩んだが、新婚旅行らしく、ゆったりと過ごせそうなセドナをメインに据えた。また、sakiは峡谷よりも遺跡に興味を示しており、メサベルデなどの遺跡系の公園を多く取り入れた。さらに、ホワイトサンズやカールスバッドなどにも足を延ばす。厳密にはグランドサークルの範囲外のところも多いが、細かいことは気にせずに。